・消費税の増税をめぐる与野党の協議は、合意を目指していた15日は明日。
今の国会で成立させるには、事実上、期限ギリギリになってしまった。
私は以前、医者や研究の仕事を休み、加藤紘一議員の第一秘書を務めていた経験があるが、政治の世界では何かとギリギリになることが多い。
今日は、こうしたギリギリ癖がなぜ起きるのか、脳の仕組みを解説したい。
・ついつい先送りして期限ギリギリになってしまうのは、だらしない性格のせいだと思われがちですが、実は、自己愛が関係していることが最近の研究わかってきた。
現代人、特に若い人の中には、自己愛が膨張している人が増えている。新型うつ病の原因。
そうすると、「自分だけは特別の存在だ」、だから「自分だけは特別の扱いを受けるのが当然だ」と思い込んでしまう。
だから、嫌なこと、面倒なことは先送りしてしまう。
注意しなければならないのは、こうした自己愛の暴走は、大脳辺縁系といった脳の奥深いところで生み出されますので、意識に上らないこと。
意識は脳の表面にある前頭前野が生み出します。
自分自身の意識の上では、期限に間に合うように、やっているつもりなのに、無意識のうちにギリギリにしてしまう。
たとえば、人との待ち合わせに遅れる場合。
間に合うように出かけたつもりなのに、遅刻してしまうことが多い。
これは、意識の上では、「他人に迷惑をかけないように、遅刻はすべきではない」と考えている。
しかし、深層心理では、自己愛が暴走し「自分は特別の存在だから、遅刻してもいいんだ」と思う。
その結果、本人も気がつかないうちに、待ち合わせ場所までの所要時間を短く見積もってしまう。
それが証拠に、会いたくない人と会うのに、思ったより早く到着することはあまりない。
逆に、心の奥底から好きだと思っている人と会うときは、遅刻することはない。
これは、脳の大脳辺縁系で、無意識の内に自己愛が自分を操っているためだ。
政治の世界で、何かとギリギリになることが多いのは、政治家が自己愛の強い人が多いため。
国民を代表して権力を握るのは自分であるべきだと考えること自体、自己愛そのもの。
仕事でも普段の生活でも、ギリギリ癖をなおすには、自己愛の暴走を防ぐのが一番。
そのためには、自分の脳のタイプを知ればいい。
やり方はいっぱいあるが、一つだけご紹介すると、自分の行動をメモに残す。
そして、期限通りにできたことは、青いボールペンで印をつけ、ギリギリになったことは赤いボールペンで印をつける。
こうして、自分自身の無意識を目に見えるようにする、つまり、見える化する。
詳しくは、私が先週、発売したばかりの最新刊の本を読んでいただきたい。
「仕事のギリギリ癖がなおる本」(青春出版)。すぐに役立つ方法を満載してます。
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