世界は「ゆらぎ」でできている
~宇宙、素粒子、人体の本質~
(光文社新書)
(前略)・・・人体のすべての臓器の中で、揺らぎの効果を最も効率よく利用しているのは、間違いなく心臓でしょう。
心臓は、生まれてから死ぬまで、一度たりとも完全に休止することはできない特殊な臓器です。
しかも、心臓の筋肉は基本的には細胞分裂をすることはなく、赤ちゃんの頃に授かった細胞を一生涯、大切に使い続けるしかありません。
このような過酷な環境にあるため、心臓は呼吸に合わせ、すきあらば少しでも手を抜く涙ぐましい知恵が求められます。
これを実現しているのが、ここまで説明してきた呼吸性不整脈だというわけです。
ただし、この名称が大問題です。
呼吸に合わせて脈のリズムが変わるので、そのまま、呼吸性不整脈と呼ばれるようになったのですが、医者としては、この名称でかなり迷惑しています。
臨床の現場で、患者さんに少なからず誤解を与えているからです。
心拍の変動は病院で行われる検査項目のひとつなのですが、「あなたは呼吸性不整脈が大きいですね」というと、何だか病気のように感じて患者さんは眉をひそめます。
でも本当は、呼吸性不整脈が大きいほど、心臓も神経も若くて健康だと言えるのです。
その理由を、分かりやすく説明しましょう。・・・(後略)
世界は「ゆらぎ」でできている
~宇宙、素粒子、人体の本質~(光文社新書)
第2章より
・アインシュタインは、相対性理論でノーベル賞をとれなかった! ⇨クリック
・ヒッグス粒子は、ジグソーパズルの最後のピース! ⇨クリック
・銀河も恒星も、宇宙の10万分の1の揺らぎから生まれた! ⇨クリック
・私たちは、ブレーンワールド(膜の世界)に住んでいる! ⇨クリック
・24時間リズムで設計したら、人類は絶滅していた! ⇨クリック
・ビッグバンは天文学者の皮肉のダジャレから始まった! ⇨クリック
世界は「ゆらぎ」でできている
~宇宙、素粒子、人体の本質~
(光文社新書)