世界は「ゆらぎ」でできている
~宇宙、素粒子、人体の本質~
(光文社新書)
・アインシュタインは、相対性理論でノーベル賞をとれなかった! ⇨クリック
・ヒッグス粒子は、ジグソーパズルの最後のピース! ⇨クリック
・銀河も恒星も、宇宙の10万分の1の揺らぎから生まれた! ⇨クリック
・私たちは、ブレーンワールド(膜の世界)に住んでいる! ⇨クリック
・24時間リズムで設計したら、人類は絶滅していた! ⇨クリック
・ビッグバンは天文学者の皮肉のダジャレから始まった! ⇨クリック
サイエンスの本は、なんだか難しい。
未知の暗黒物質・ダークマターのこと、ニュートリノやヒッグス粒子のことなど、話題になることが多くなってきたので、本当はいろいろと知りたい。
けれど、宇宙空間は広大すぎて、また、素粒子のことはミクロの世界が極小すぎて、常識の範囲ではイメージをつかみにくい。
そんな印象をお持ちではないでしょうか。
しかし、実はこういった自然科学では、たったひとつ、物質の「揺らぎ」から始まっているということに尽きるのです。
だから、最先端のサイエンスも、「揺らぎ」というキーワードで読み解くと、その本質が皮膚感覚を通していきいきと理解できます。・・・・
こうした揺らぎで恋愛感情を伝え合う脳の仕組みを利用しているのが、目の瞳孔です。
恋をしていると、相手のことをよく見ることが子孫を残す上で重要なので、網膜を酷使してでも瞳孔を大きくします。
実際、ほとんどの男性は、女性のヌードを見ると、瞳孔が自動的に大きくなります。
また、お気に入りのアイドルと握手をすると、ファンの方の瞳孔は、ものすごく大きくなっています。
さらに、眼の前にいる異性の瞳孔が大きいと、きっとこの人は自分に気があるんだと心の奥底で感じ取り、だったら自分も相手に好意をもとうとするのです。
だから、瞳孔が大きいと異性に好かれやすいので恋愛では有利です。
少女漫画のヒロインの目が大きく描かれるのは、この効果を狙ったものです。
2012年、ジュネーブ近郊にあるCERN(ヨーロッパ合同原子核研究機構)で、揺らぎの研究においても重要な意味を持つヒッグス粒子が見つかったと発表され、ニュースは世界を駆けめぐりました。
世界中の物理学者は、標準模型というジグソーパズルの完成に取り組んできたのですが、17個のピースのうち、たったひとつ、ヒッグス粒子のピースだけがポッカリ空いていたんです。
それが今回、寸分たがわぬくらいピッタリとはまるピースが見つかり、ついに物質の根源を描くジグソーパズルが完成したため、価値ある発見だと言えるのです。
アインシュタインが光量子仮説を発見したおかげで、かろうじて面子を保ててほっとしただろうと噂されていた人たちがいます。
それは、当時のノーベル賞の選考委員たちです。
アインシュタインは20世紀で最も偉大な科学者だと言われているくらいですから、当然ノーベル賞を受賞しています。
しかし、彼が受賞したノーベル賞は、実は、この光量子仮説の業績に対して与えられたものであり、それよりもはるかに有名な相対性理論で受賞したわけではなかったのです。
これには、どうにもならない事情がありました。
困ったことだと思われていた心の揺らぎが、実は大切な役目を果たしていると指摘する、新たな学説が発表され、注目を集めています。
アリゾナ大学のチャールズ・レイソン博士らのグループは、うつ病が伝染病によって人類が絶滅するのを防ぐ手段であるという学説を発表しました。
うつ病になると、やる気を喪失し、他人と交流もしなくなります。
伝染病が流行している時期に他人と接触を持たないため、感染を避けることができます。
また、うつ病になると食欲が低下しますが、伝染病のうち多くは、食事を通して病原体が体内に侵入するため、これも感染の予防に効果があります。
さらに、うつ病になると発熱することもありますが、体温が上昇するとほとんどの病原体は増殖が困難となるため、やはり伝染病の対策に有効なのです。
COBEという人工衛星が、宇宙のすべての方向に対して測定し直したところ、周波数に揺らぎがあることを観測したのです。
実は、この揺らぎが、いわば種となって、恒星や銀河や銀河団ができあがったことがわかったのです。
つまり、揺らぎがなければ、宇宙は、恒星も銀河も銀河団も、何もない、ただ暗黒だけが広がる、実につまらないものになっていたわけです。
雲の形は、雲の一部をいくら拡大しても、やっぱり雲の形に見えます。
木の枝分かれの場合も、枝分かれした先が、同じようにさらに枝分かれします。
このように、いくら拡大しても、元の図形と似たような形になることを、自己相似性といいます。
実は、自然界は自己相似性だらけなんです。
心臓は、生まれてから死ぬまで、一度たりとも完全に休止することはできない特殊な臓器です。
しかも、心臓の筋肉は基本的には細胞分裂をすることはなく、赤ちゃんの頃に授かった細胞を一生涯、大切に使い続けるしかありません。
そこで、心臓は呼吸に合わせ、上手に手を抜いているのです。
これが、呼吸性不整脈です。
国際研究チーム・OPERAが、ニュートリノという素粒子が光速を超えたという実験結果を発表しました。
「アインシュタインの相対性理論が崩れた!」
「タイムマシンがつくれることになる!」
などと、大きく報道されたので、記憶されている方も多いでしょう。
このとき、光速を超えたことを説明できるとして脚光を浴びたのが、ブレーンワールド仮説だったのです。
誕生したばかりの地球は、約6時間という猛烈に速いスピードで回転していました。
つまり、一日は6時間だったわけです。
もし、生命がものすごく精密な時計を体内に持っていて、その時計に厳密に従う生活をかたくなに守ろうとしていたら、いずれ地球の自転周期の変化に置いていかれ、生存競争に敗れて絶滅してしまったはずです。
天文学者でSF作家としても活躍したフレッド・ホイルは、批判の急先鋒で、ラジオ番組で、皮肉たっぷりに「big bang idea」と呼びました。
「宇宙は大きな爆発(big bang)から始まることになり、どう考えてもおかしいでしょ!」という指摘と、「爆発しちゃいそうな大ぼらだ!(big bang idea)」という2つの意味をかけて表現したわけです。
さすがSF作家としても実績を残しただけあって、言葉の使い方にはキラリとした才能を感じさせますが、これが裏目の出てしまいました。
私は、モーツアルトのアイネ・クライネ・ナハトムジークという曲が大のお気に入りです。
仕事が立て込んで疲れきってしまったときは、紅茶を飲みながらこの曲を聞くというのが私の日課となっているのですが、そのたびに感じることがあります。
それは、揺らぎの本当の価値は調和にあるということです。
モーツアルトの曲は、規則性と不規則性が絶妙なバランスで揺らいでいるのが特徴です。
この揺らぎが生み出す調和が、聞く人を何ともいえぬ心地良い気分にさせてくれるのです。
本書では、量子論の揺らぎから始まり、素粒子や宇宙、それに人体や心といった様々な分野のサイエンスについて、揺らぎをキーワードに解説してきました。
いずれの分野も、モーツアルトの曲と同じように、揺らぎは秩序を壊すものではなく、むしろ調和を築き上げているものだということがお分かりいただけたと思います。
・アインシュタインは、相対性理論でノーベル賞をとれなかった! ⇨クリック
・ヒッグス粒子は、ジグソーパズルの最後のピース! ⇨クリック
・銀河も恒星も、宇宙の10万分の1の揺らぎから生まれた! ⇨クリック
・私たちは、ブレーンワールド(膜の世界)に住んでいる! ⇨クリック
・24時間リズムで設計したら、人類は絶滅していた! ⇨クリック
・ビッグバンは天文学者の皮肉のダジャレから始まった! ⇨クリック
ハンドルネーム、夢ウサギさんが、
こんな素敵な画像を作ってくださいました。
ありがとう!
とても、嬉しいです!
【吉田たかよし】
吉田さん、本、買いました!
(●´ω`●)
また作りました!
下手くそだけど良かったら貰ってください(^^)
(夢ウサギさんからのメッセージ!)
世界は「ゆらぎ」でできている
~宇宙、素粒子、人体の本質~
(光文社新書)