一言でいうと…
✔ お酒を飲むことが、感染の予防に役立つという論文が発表されている!
✔ スペインのサンティアゴ・デ・ コンポステラ大学が、大学の教職員、4000人余りに協力してもらって行った調査で判明した!。
✔東北大学が中高年900人ほどに協力してもらった調査でも、毎日お酒を飲む人は感染率が38%低いというデータが出ている。
✔ 体温上昇による免疫力のアップと、精神的なストレスの緩和が感染率の低下に結びついた!
✔ 感染を予防するには必要な我慢もあるが、何でも我慢するのは逆効果で、上手な息抜きを心がけるべきだ!
毎週、水曜日の文化放送「SAKIDORI」と、木曜のFM「ハッピーモーニング」
2020年2月19日と20日にお話した内容から一部を抜粋して、ご紹介しています。
新型コロナウイルスの感染は、国内でも日に日に拡大していますね。
私のクリニックを受診する受験生もご家族も、ご心配になっていて、予防の仕方のアドバイスを求められることも、よくあります。
今、世間では、我慢を強いられることが、すごく増えています。
イベントは中止、東京マラソンも一般ランナーは走れない・・・。
我慢!我慢!我慢!
でも、必要な我慢がある一方で、我慢で逆に感染を増やすという研究結果も発表されているんです。
東京では、屋形船で宴会をしていて感染した人が出て、宴会を自粛する人が増加していますね。
大勢の人が至近距離で飲食をともにすると感染が広がるので、宴会の中止はやむを得ないです。
でも、お酒を飲むこと自体は、感染の予防に役立つという論文が発表されている。
もちろん、新型コロナウイルスとお酒との関係を直接分析した研究は、まだありません。
でも、冬に多い普通のコロナウイルスなどの風邪も、新型コロナウイルスも、インフルエンザだって、体内で感染を防ぐ免疫の仕組みはほぼ同じです。
だから、風邪についての研究が、かなり参考になるんです。
世界的に見て最も代表的な研究は、スペインのサンティアゴ・デ・ コンポ・ステラ大学が、
大学の教職員、4000人余りに協力してもらって行った調査なんですね。
ワインを1週間に8杯以上飲む人は、風邪を引く割合が、非喫煙者に絞って分析すると、37%低いというデータが出たんです。
また、日本でも、東北大学が中高年の人、900人ほどに協力してもらって同じような調査をしたら、
毎日お酒を飲む人は、風邪を引く割合が、38%低いというデータが出たんです。
宴会は感染の心配があるので、ご家庭でご家族と一緒にお酒を楽しんでいただきたいですね。
ただし、すでに風邪を引いている人は、アルコールで重症化するので、飲酒はぜったいにダメですよ。
また、体質的に飲めない人は食道がんのリスクを高めるから、無理して飲むのもダメ。
では、どうしてお酒を飲む人の方が風邪を引きにくいのかということですが、
もちろん、お酒を飲めば体内がアルコール消毒できるわけではない(笑)。
お酒が感染を下げた要因の一つは、体温の上昇なんです。
免疫力は、体温が上がると自動的にパワーアップする仕組みになっているんです。
だから、風邪を引いたら、人体はわざと熱を出して、ウイルスをやっつけようとするわけでね。
、
お酒を飲むと、体温が上がって、それと同じことが起こるわけです。
以前、適度な運動をしていると、風邪の感染率が低いという研究をご紹介したよね。
これも、運動中に体温が上がることが作用しているんです。
また、サウナに入っている人は風邪を引きにくいというフィンランドの研究もご紹介したことがありますよね。
こちらも、やっぱり、体温が上がることが感染予防に役立っているんです。
受験生は未成年が大半だし、20歳以上であっても記憶力を生み出す海馬の機能を低下させるので、飲酒はおすすめしません。
でも、スポーツを楽しむ、ゆっくりお風呂に入るといった生活習慣は、受験の直前でも続けるべきですね。
もう一つ、お酒を飲むと感染を予防できる理由は、精神的にストレスが発散できて、免疫力が上がるためです。
楽しいという感情で、ウイルスに対抗する白血球の活動が活発になるという実験結果が出ています。
お酒以外でおすすめしたいのは、何でもいいから楽しく喋ること。
人の話を聞くよりも、自分が話すと、白血球はより元気になる傾向があります。
お酒を飲んだときも、喋ったもの勝ちですね(笑)。
カラオケについても同じ傾向があり、他の人が歌っているのを聞くより自分が歌うと、白血球はすごく元気になるから、感染予防にとても役立りますね。
近所迷惑にならない程度に、ぜひ、ご自宅で楽しく歌を歌いながら楽しく感染を予防してほしいですね。